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「…ヒロ」
「ん?」
「近所のおにいさんが車で迎えに来てくれるって言ってね、友達と帰るからいいって言ったら、もう遅いから友達も送ってくれるって……」
「えっ…そうなんだ。っていうか、いいの?俺まで…」
本当は奏枝の家の方へ遠回りして帰るつもりだった裕満は少しへこんでいるようだ。
「うん、全然」
むしろ二人きりじゃなくなるだけですごく助かる。奏枝は力強く頷いた。
「それに、おにいちゃんやさしいから、大丈夫だよ」
「そっかぁ。あの……でも、迎えにきてくれるってことは付き合ってる、とか?」
普通近所のおにいさんは、そういうことをしていないと思う裕満は思い切って聞いてみた。
「違うよー、おにいちゃんは彼女いるし」
「そうなんだ」
あっさりとした否定に裕満は心なしかほっとした表情になる。
そんな裕満の様子にまったく気付かない奏枝は自慢気に続けた。
「美男美女でお似合いなんだ~」
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