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「やだっ、やめてください…!!」  奏枝(カナエ)の部活顧問の高校教師が詰め寄ってくれば、奏枝は震えながらも気丈に言った。  ブー、ブー  さっきから奏枝の携帯が振動しているが、それどころではない。  本当はすぐにでも出て、助けを求めたいが、教師との距離はそれが許されるほどなかった。 「ぃゃ……」  奏枝の声がしぼんできた。 「…大丈夫だよ」  中年教師はいやらしく笑い奏枝との距離をなくしていく。  ブー、ブー、プッ… 「やっ、来ないでっ、触らないで…」 「静かにしなさい!!」 「ん゙っ」  教師は手で奏枝の口を押さえ付けた。  奏枝は息が出来なくてもがくが教師が手をどける様子はない。  ブー、ブー 「うるさいな」  教師が奏枝のスカートのポケットをまさぐりはじめる。  奏枝の太ももに、生々しいその感触が伝わってきて、気持ち悪さに血の気が引いた。 「んんーっ」 「騒ぐな」  携帯がポケットから取り出され、奏枝は一瞬、不快感から解放された。
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