想-ヲモヒ-

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想-ヲモヒ-

忘れじの花に 切ない期待と 淡い希望よ 叶わぬ願いは この身を引き裂く様で 想えば想う程、 愛し切なき悲哀歌よ… あれは何年前だったでしょうか、 僕はあなたの存在がいと尊いと気付きました。 その数年前にはあなたを知っていて、 あなたという友を感じてきました。 なのに何故、鼓動に焦燥感を抱き、 何故、あなたをおもえば苦しい? それが『恋』だと気付いた瞬間。 哀れな僕の小さな心の火照り。 あなたが言った、 「好きだよ。」って、 どんな意味での「好き」なのですか? …無論、友としてだって解ってる。 無邪気なあなたの笑顔が愛おしい。 でもね、そんなあなたにこの気持ち 打ち明けられないんです。 弱虫…。 嫌になる。 やがて訪れる別れ。 あなたとはもう会えないのだろうか、 連絡先もおしえられずに僕は 逃げた。 そう、それっきり。 それっきり 僕とあなたは 同じ空を見ながらも、 未だ交わる事なき場所で時を過ごしています。 こんなに月日が流れたというのに、 まだあなたが愛しいのは何故? 否…、これがもはや『恋』だったのかさえ解らなくなってしまいました。 忘れじの花に 切ない期待と 淡い希望よ 叶わぬ願いは この身を引き裂く様で 想えば想う程、 愛し切なき悲哀歌よ… 嗚呼…、過ぎた日々は 僕に思い出させる。 あなたという名の『友』を。 あなたという名の『片想い』を。
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