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僕と菖蒲は血の繋がらない兄弟だ。
...いや、もしかしたら繋がっているのかもしれない。
僕達は2人とも、今の両親に拾われた。
両親の話によると、僕と菖蒲は犬や猫が捨てられるようにダンボールに入れられ、2人寄り添っていたそうだ。僕としては菖蒲と血が繋がっていようといまいと構わないのだけど、僕と菖蒲には似通ったところが全くと言っていいほど無いから、多分血は繋がっていないと思う。
でも、僕達が出せる音域、リズムの取り方は本当によく似ていると思う。
僕達が合唱団に入ったのは、両親の影響だった。父も母も音楽好きで、合唱団の指導は両親が行っていた。
僕達の楽しみは歌うこと。
透明な、澄み切った高音を、より高みを目指すこと。
これが今の僕達の目標だった。
「桔梗、ほら、いつまでも外見てないで練習にいこうぜ!」
...菖蒲はちょっぴり自分勝手で我儘だと思う。
でも、僕は菖蒲が好きだ。
「あー、待ってよ~、」
僕は着替えもそこそこに菖蒲を追いかけた。
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