147人が本棚に入れています
本棚に追加
「出てやらなくていいのか」
立て続けに鳴る着メロに応えず、ただじっと携帯を見てる僕を不審に思ったのか……
斜向かいの席で呑んでいたベージュのスーツの男が声をかけてきた。
「恋人からなんだろ?」
時刻は夜半。
そうか。そう見えるのかな。
……そうだろうな。こんな時間にヒステリックにコールするのは、友達や親とは思わないのだろうな。
携帯電話はワンコーラス歌い、そして三度(みたび)小さな塊に戻った。
最初のコメントを投稿しよう!