Hello and Good-bye

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   カウンターに座ってたときは分からなかったけれど、そいつは明らかに僕より二回りは大柄だった。  釦を外し着崩していてもアルマーニだと分かる、特徴的なシルエット。  但し。ベージュのスーツに藍色のタイなんて、真っ当な勤め人は間違っても選ばない。 (三十半ば……後半? もっといってるか、な。ヤの字の人じゃなさそうだけど、堅気っぽくもない……)  はぁ、と小さく息を吐き、ネクタイを緩めながらアルマーニは言った。 「足、速ぇな」  
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