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少女は辿り着いた
真っ赤な池に
あれから誰にも会うことなく
「まぁ、なんて綺麗な赤い色」
透き通るような淡い赤い色の池
「あの方はいるかしら?」
少女は辺りを見回した
でも、人の姿すら見えない
あるのは池だけ
「・・・・はぁ~」
少女は諦めて引き返そうと思うました
そのとき
「・・・・そこのお嬢さん」
少女は振り返った
でも人の姿はない
「・・・・お嬢さん、こちらだよ。」
「こっちこっち」
「こちらにおいでなさいな」
「さぁ・・・・」
たくさんの声が聞こえてきました
声色も様々な声が
森いっぱいに広がるように
「誰かいらっしゃるの?」
少女は尋ねる
だが返ってくるのは・・・
「こちらだよ」
「こっちだよ」
「早くいらっしゃいな」
そして、
トントン・・・
足を叩かれた少女はそちらを向いた
そこには小さな小さな、一匹の「赤いリス」がいました
「あら、なんて可愛いんでしょう」
少女はリスの頭を撫でようと屈みました
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