始まりはアカから

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チクタクチクタク・・・      時計の音が鳴っている      少女は目が覚めた      でもそこは     時計も扉も      何もない世界になっていた        チクタクチクタク・・・       白に黒のタイル、そしてアカ      一点だけ赤いタイル・・      少女は思う      「どうしてここだけ赤いのかしら?」      疑問に答える声が聞こえたような気がする      「それはね、色がついてしまったんだよ」      チクタクチクタク・・・       時計の音は耳鳴りのように響き      やがて、誰かが少女に近づいた     「さぁキミも・・・」       その顔は      「一緒に・・・」      まるで      「逝こうか・・・」      手を引っ張られ少女は消えていく      「ヨウコソ、我ラノ楽園ヘ・・・・赤ノ姫君」       出ることの出来ない       アカの世界へ・・・・       チクタクチクタク・・・・       始まりはアカから
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