崖のシタとウエ。

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まだ17歳の女の子。 好きなテレビ番組とか 好きな芸能人とか 昨日のニュースとか 政治家の不祥事とか 適度にかじっておけば あとは何の興味もなかった。 自分のコトじゃないんだし。 興味があるのは 可愛くなれる方法とか 可愛く見える方法とか 可愛い仕草とか 可愛がられる方法とか とにかく可愛くなりたかった。 だって可愛い方が楽しいに決まってるから。 少なくとも十数年生きてきた中では 友達が沢山いて いつも楽しそうに笑っていて 多少の悪口を言ったり 多少の捻くれ者だったりしても 輪の中心に居るのは 可愛い可愛い女の子だったし、 男の子のアイドルは 面白い子でも 芸の出来る子でも ましてや勉強の出来る 頭の良い子でもなくて、 可愛い可愛い女の子だったから。 アタシはそんな楽しい人生に嫉妬していたし、 羨ましくて仕様がなかったし、 ただただ本当に可愛くなりたかった。 だって可愛い方が楽しいに決まってるから。
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