始まり

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「ごめんなっ。大丈夫?」 心配そうにそいつは聞いてきた。 じっと見ると、そいつの体は、傷だらけだ。 特に腹の部分なんて血がにじんで……。 「おいっ。その傷どうした。見せてみろ」 俺はそう言って、そいつの服を上にあげた。 「うわ……」 長く深くえぐれている。 「平気平気。木に引っかかったときに、無理矢理引っ張ったら、こんなんなった」 笑いながらそいつは言う。 「俺、空飛べるから」 .
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