理由

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飛びながら、俺は翔に話した。 「俺がお前の母さんに、手ぇあわせりゃ、すぐに治るから」 翔の母は、病気もちらしい。 しかも、もう薬では手におえなく、手術が必要。 だけどそんな金、翔の家にはない。 だから俺が治すんだ。 得意の治癒魔法ってやつでな。 「だから、安心しな」 仕方ないから、見てなかったことにしておいてやるよ。 声を殺して泣いている、翔の姿は。 苦しかったろ。 だけど大丈夫だ。 俺が治すからな。 「うん……」 弱々しい声で、翔は返事をした。 俺が治したら、すぐあっちへ帰らなきゃイケねぇんだけど……。 まだこいつの顔、見てたいから、もう少しいたっていいよな?
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