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「俺ら、美呼ちゃんには感謝してんだ」
「え?」
「龍をさ、変えてくれたから…‥」
そう言った隼斗は、今でもまだ優と香織と言い合っている大和へ視線を向ける
怒ったり、笑ったり、ちょっとへこんだり
いろんな表情を見せる大和を、穏やかな顔で見つめる
「あいつ、昔は本当に無表情でさ、何に対しても感心なくて…‥」
「そうそう、別に自分なんてどうでもいいみたいな感じで無茶ばっかしてさ」
「あんな楽しそうな顔、見せたことなかったよなぁ?」
「あぁ、ホント美呼ちゃんのおかげ」
そこまで言うと、懐かしむように大和を見ていた二人の視線が私に帰ってくる
少し照れ臭そうに笑う二人
「だからさ、美呼ちゃんにはホント感謝してる。龍をまっとうな人間にしてくれた」
「そんな…‥私は何も…‥」
「もし美呼ちゃんと会ってなかったら今頃どうなってただろな?」
「人一人は殺してそうだよなぁ…‥うわぁ考えただけでゾっとするぜ」
ハハハっと乾いた笑いをする彰と隼斗
確かに、最初に会った時の大和を思い出すと、あながち冗談にも聞こえないのが怖いところだ
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