14

18/21
前へ
/280ページ
次へ
「俺ら、美呼ちゃんには感謝してんだ」 「え?」 「龍をさ、変えてくれたから…‥」 そう言った隼斗は、今でもまだ優と香織と言い合っている大和へ視線を向ける 怒ったり、笑ったり、ちょっとへこんだり いろんな表情を見せる大和を、穏やかな顔で見つめる 「あいつ、昔は本当に無表情でさ、何に対しても感心なくて…‥」 「そうそう、別に自分なんてどうでもいいみたいな感じで無茶ばっかしてさ」 「あんな楽しそうな顔、見せたことなかったよなぁ?」 「あぁ、ホント美呼ちゃんのおかげ」 そこまで言うと、懐かしむように大和を見ていた二人の視線が私に帰ってくる 少し照れ臭そうに笑う二人 「だからさ、美呼ちゃんにはホント感謝してる。龍をまっとうな人間にしてくれた」 「そんな…‥私は何も…‥」 「もし美呼ちゃんと会ってなかったら今頃どうなってただろな?」 「人一人は殺してそうだよなぁ…‥うわぁ考えただけでゾっとするぜ」 ハハハっと乾いた笑いをする彰と隼斗 確かに、最初に会った時の大和を思い出すと、あながち冗談にも聞こえないのが怖いところだ .
/280ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8553人が本棚に入れています
本棚に追加