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出国ゲートは、別れを惜しむ人で溢れていた
俺もその中の一人
目の前には誰よりも愛しい人
「頑張ってね大和」
そう言う美呼の左手の薬指には、俺が嵌めている指輪と同じものがキラリと光る
光るものは指輪だけ
お互い、涙なんて流さないから
これは、さよならの別れじゃない
それぞれステップアップするために必要な道だから
「あぁ」
短く返事を返すと、ギュっと美呼を抱きしめた
これからしばらくは抱きしめることなんて出来ないから
こうして美呼の温もりを覚えておきたい
「ねぇ大和」
「ん?」
「私ね、思ったんだ」
抱きしめたまま、美呼が話し出す
一度顔を見ようと思ったけれど、美呼が俺を放さないように背中に回した手に力を入れたのが分かったから
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