15

3/6
前へ
/280ページ
次へ
「愛してるとか、大好きとか…‥そんな言葉じゃ足りないぐらい大和のこと想ってる。それ以上の言葉がないのがもどかしいぐらい…‥」 「美呼…‥」 美呼は、あまり愛情表現を口にしない だからこんなにストレートに言われるなんて、胸が熱くなった 美呼を抱きしめる腕に力が入る 体だけじゃない、美呼の心まで抱きしめるように…‥ 「愛してる、大好き、ありがとう…‥どんなに言っても足りないから…‥」 スっと美呼の腕が俺の背中から離れる 少し体を離して俺の顔を見上げて続ける 「だから…‥これからの私を見ていて?言葉じゃ伝えきれないから…‥」 ふわりと笑う美呼 紡がれた言葉を聞いて、以前俺が思ったことと同じコトを言う美呼に驚いた 父親の会社に結婚することを報告しに行ったとき 家族になる美呼を守りたいと思った 守るものがあると、人は強くなれる そう気づかせてくれた美呼に、俺は伝えられない感謝の気持ちの変わりに、 これからの俺を見ていて欲しいと願ったんだ それを思い出して あぁ、美呼も俺と同じ気持ちでいてくれたんだ そう思うと、嬉しくて心が温もりで満たされた .
/280ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8553人が本棚に入れています
本棚に追加