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一4年後一 あれから、一度も日本に帰ることはなかった けれど、一日とて愛しい人を想わなかった日は無い 飛行機のタラップを降りて、幾分急ぎ足で入国ゲートを潜る 彼女はちゃんと、待っていてくれているだろうか? そんな一抹の不安は、すぐに消え失せた 広い空港内 平日休日関係なく、常に人でごった返しているのは今日も同じこと それなのに どうして愛しい人はすぐに見つかるんだろう? 俺の目は、4年経っても変わらない彼女の姿をすぐに捕らえた それは、彼女も同じらしい この人ごみの中、流すように周りを見ていた彼女の目が、俺を捕らえる 4年振りの彼女の笑顔は、あの頃と変わらない穏やかで優しいもので…‥ 惹きつけられる 一直線に彼女の元へ向かう 他には、もう何も目に入らない .
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