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「んふふふ、見てろよォ。特製マブチモーター二連装の推進力に驚けッ」
シャツの袖を肘までまくり、満面の笑みを湛えて無駄にデカい四十男は、自慢の艇を静々と水面に横たえた。
銀色に輝く二つのスクリューを力強く回す、ジーンという独特のモーター音が、人気のない河原に響き渡り。
ごぶごぶと大小の泡を発しながら、艇はゆっくりと進み始め。
……たと思ったら。
どぶん、と一際大きな泡を吐いて水面下に潜ってしまったではないか。
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