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それから、お兄ちゃんを避けるようになった。
…いや、正確には近づけなくなった。何でもない会話でもいつもあの時の光景が頭をよぎって、上手く笑えなくなったから。
お兄ちゃんは勘が良いし、ちょっとした感情の変化とかすぐ見抜くいてしまうから、あたしの中に渦巻く汚い感情がいつかバレるんや無いかって気が気じゃなかった。
知られたらその時点で終わりやろ?
ちょうどその頃おかんの勧めもあって、お兄ちゃんは在る事務所のオーディションに合格した
あんまり家にいないのは寂しかったけど、会わないならいっその事その方がいいと思った
家族でいる以上あたしの感情は
持っていてはいけないものやから
会わなければいつか元に戻れる
いつかお兄ちゃんに彼女が出来る日がきても、きっと笑って祝える可愛い妹になれる
せやから高校、大学は県外の寮の在る所に受験してなるべく自然に会わない状況をつくった。
まぁ、でも結局新しい店舗を任される様になってしまって結局は実家に戻る事になってしまった訳やけど。
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