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ホラー小説
これは、私が中学の頃の話です。
私は小説を読むのが好きで、暇なときによく読んでいました。
とある休日。
昼頃に目覚めた私は、何日か前から読み続けていたとあるホラー小説を読み始めました。
ここではそのホラー小説の名前は出せませんが、その本は投稿された実話を集めたオムニバス作品で、あとがきには
『この本の製作にあたって編集者や著者の周囲で奇怪な出来事が頻発している』
などと書かれている本でした。
私は内容があまり怖くなかった事もあって、そのあとがきを見た瞬間、思わず心の中で『ホントかよ?』とツッコミを入れてしまいました。
すると
パッ
突然、停電したんです。
私は思わずビクッと緊張してしまいましたが、停電は一分ほどで復旧されたのでひとまず私は安心しながらテレビを見ていました。
やがてしばらく時間が経った頃
ドタドタドタ
と二階から人が歩くような音が聞こえてきました。
二階は両親の寝室兼居間だったので、私は親が居るものと思い、二階に上がって行きました。
ちょうど昼飯時だったので昼食を作って貰おうと考えたからです。
しかし、二階に上がった私が見たのは無人の寝室と誰もいない居間。
考えてみれば私の両親は農家なので、昼間のこの時間帯は畑で農作業してるはずです。
私はさっきの停電の事もあったので怖くなってしまい、急いで階段を駆け降りると、自室で布団にくるまってビクビク震えていました。
やがて両親が畑から帰宅して来たので、私は昼間あった事を話しましたが、両親は全然取り合ってくれません。
近くの学習塾に行く時間も迫っていたので渋々私は引き下がり、その小説を持って学習塾へと向かいました。
塾に着いた私は、真っ先に講師のK先生に昼間の事を話し、問題の小説を見せました。
親と違ってK先生は真剣に話を聞いてくれ、私は多少安心する事ができました。
やがてK先生の授業が始まります。
授業中に何気なく後ろにある窓を見ると、スーッと曇りガラスを横切っていく赤い影が。
確かに学習塾は平屋の建物ですから、窓の外を人が歩くのは不思議でも何でもありません。
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