あなたの心に響く短編集Ⅱ

家に住む？？女性

家に住む？？女性

私は別に霊感はないと自分では思っています。はっきりとしたのを見た記憶は小さい頃にしかありません。
ですが、たまに今でも音や黒い陰のようなもの、気配を感じることがあります。それは私が単にビビりなとこからきた勘違いの可能性も大きいのですが…。

そんな私が体験した話をしたいと思います。

私が思うに…私の家には何かいる…気がします。
最近は何もないのですが、私が一人でいる時に限って何か起きるんです…。

あれはまだ私が高校生の時、日は沈んで結構真っ暗になるくらいの時間だったと思います。
私ん家の近所はかなりの田舎で外灯も少なく、そのうえ私の家は山のふもとで裏と片側は竹やぶです。なのでとても周りは暗いです。

私はいつも通り玄関を開け、家の中へと入りました。
玄関は広く右側には和室、真っ正面は階段と奥に通路が１つ、左側はリビングなどがあります。

普段、靴を脱ぐ時あまり玄関の電気をつけません。
私はローファーを脱ぐために足元を見つめ、脱ぎ始めました。

その時です…。

私が立つ左斜め前（和室側）で１メートル程の距離の先に、髪が真っ黒で腰近くまでありそうなくらいロングヘアーで、服装は亡くなった方が着る真っ白な着物のような服…足の指が軽く見えるくらいの丈で、若い女性…だと思います。私をジィーー…と黙って見つめているんです。

でも…顔がわからない…まるでのっぺら坊のようで、ぼやけて顔だけがわからないんです。

私はというと、下を向いて靴を脱いでいました。その女性を目で見たんじゃないんです。
映像？？ のようなものが浮かんできたんです。

私は慌てて顔を上げ周りを見渡しましたが…誰もいません。
気のせい？？ とか思いつつ、家の中へ上がり、その日、特にそれ以上のことはありませんでした。

しかし、また見たんです…。

あの日から数日は経ってたと思うのですが、夜行性の私は深夜２時くらいにリビングで食器を洗っていました。

リビングの隣はワンルームあり、スライド式のドア（しきり）をしなければカウンターから見渡すことができます。