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そんなこんなでワイワイしていると途中で疲れて ミケは気付いたときには寝ていた。
カンサス空港からバスでおよそ2時間。
途中バスの窓から見えた景色は日本の田舎とはちがった、アメリカ風の田舎というのだろうか。
高いビルなどはあまりなく寧ろ 家が建ちならび、道は広く 広々とした落ち着く郊外、というような感じだった。
各々が自由に過ごしていると あっという間に目的地であるセンターについた。
『ミケおきなっ!着いたよっ』
「ん~…ん…」
目を擦りながらもちゃんと起きた。
時刻は6時くらいだった。辺りは少しずつ暗くなりはじめたところ。
「はい、みんな。スーツケースを受け取ったら、入り口から入ってすぐ右の部屋に重い荷物はおきましょう」
塚ちゃんとは違う、もう一人の引率の先生である荒ちゃん先生(男)が言った。
センター内はいくつも部屋があり、誘導してくれる人が居なかったら 確実にどの部屋へ行けば良いのか途方に暮れたと思う。
「やばい緊張。俺どうしよ。リンチられたらどうしよ。」
今回の短期留学のメンバーで 2人だけしかいない男子の片方、黒ちゃん。少しぽっちゃりした感じの独特なオーラを持った子だ。
『やばい緊張。イケメンばっかだったらどーしよう。ちなちゃんドキドキ』
「え、…ちなっちゃん;;」
『ん?(笑)』
緊張しつつもいつもどおり冗談を交えながら歩いていけば、1つの大きな部屋(おそらくこのセンター内では一番広い)に着いた。
入り口には金髪の人の良さそうなふくよかな眼鏡を掛けたおばさんが居る。
「WELCOME to KANSAS!」
部屋に入るときににっこりとわたしたち一人一人にいう。
「thanks!」
多分 これが此処へ来て初めて使った英語だと思う。
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