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“彼氏がいる”と思うだけで わたしは 寂しさを紛らわせてたのかもしれない。
例え相手に都合良いように思われていても。
――なんて馬鹿な話だろうか。
『ともかく!』
先生達の話が終わりスーツケースを押して移動しながら会話を続ける。
『短期留学行くのもめんどくさいし、帰ってきてまたなんか言われて喧嘩するのもめんどくさい!』
ガラガラとスーツケースを転がす。
話しながらだから周りと比べると少しスピードが遅れている。
「じゃあ何で短期留学行こうと思ったん?」
『……なんとなく。』
「へぇー」
そう。
本当に“なんとなく”だったのだ。
ただ なんとなくクラスに掲示されている お知らせを見て、いいなぁって。
その時の“なんとなく”のノリで、短期留学に申し込みをしこの状況だ。
「ちなっちゃん!ひーくん!早く~!」
いつの間にか先の方に行っていたミケ。
話に夢中になっているうちに皆と結構離れてしまってる。
『おうよ~っ』
そう言ってひーくんと2人、ちょっと急いで皆についていった。
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