進路

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「ところで、由美の行きたい大学って?」 「北海道」 「北海道!?」 ガタッ―! 勢い良く席を立つ。 放課後の教室。 数名残っていた周りの生徒たちが一斉にこっちを見る。 「ちょっと、ハル!うるさいわよ」 「ご、ごめん。だってまさかそんな遠いとこ」 「遠いって、まあ、船で1日近いくらいね」 「遠いよ。やりたいことあるの?」 「元々ね、私の母方の実家が北海道でね、実はおばちゃん一人で住んでるんだけど、最近体壊したみたいで、大変みたいなの」 由美は、悲しそうな表情をあらわにして目線を落としながら話した。
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