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そんな女の子と朝からギャーギャー騒いでいたら、さすがに視線を浴びる。
いや、この場合死線かもな。
眼から光線が出そうな勢いだし。
「俺とお前は恋人でもなんでもないだろ?」
目線くらいまでしかない背の吉岡理恵に言い放つと、彼女は
「嗚呼、神よ…何故優一君は私の愛をわかってくれないのかしら…何故なの神様ーー!!!」
左手を胸に、右手を天高く上げ、あたかも演劇のワンシーンのような動きをする。
「朝からうるさいぞ。よ し お か さん」
わざとらしく言ってみると下からまた睨まれた。
「いいもん!『理恵無しじゃ生きられない~』って状態にしてやるもん!」
くるくる回りながら前に進む。
器用だな。
いつも朝はこんな感じだ。
いつもどこからか飛んで来てタックルを食らう。
そしてこのようなやり取り。
口には出さないが彼女のお陰でこの世界に色がつき始めた。
彼女によって世界の色が鮮やかに彩られるのはまだ先のお話...
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