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『大家さ~~ん?』
私は大家さんの部屋の前でノック、ピンポンを連続でしていた。
大家さんの部屋は全5階まである1階の一番奥にある。
そして中で何をしているのかわからないけど連打しないと絶対に出ない。
『ん~?おぉ理恵ちゃんか!どうかしたのかい?』
一応私もこのアパートの住人なので覚えてくれていたらしい。
『優くんの看病したいの!合鍵…貸して下さいっ!』
勢いよく頭を下げる。
長い黒髪がサラサラと肩から重力に従い、落ちる。
『ふむ……そうかー理恵ちゃんは鍵を無くしたのかー仕方ないなー…はい』
誰が見ても嘘だとわかる棒読みで私に鍵を渡してくれた。
私の部屋は206号室
優くんの部屋は106号室
すごい違うよね。
優くんの部屋は2階
私の部屋は3階
遠いよね…。
でも近いうち、隣りに引っ越す予定♪
渡す瞬間に大家さんがウインクと同時に、
『優一君に、そろそろ孫の顔見せろって言っといてネ!』
私は顔が熱くなるのを感じながら、礼を言った。
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