弐章‐2008年――学校

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ひいおばあちゃんが死んだのは、つい先月のことである。夏休みがはじまって間もなくだった。 ひ孫である天井 幸(あまい ゆき)は、昼の11時を過ぎても母親が起こしに来ないので、しかたなく自力で布団からはい出し、パジャマのまま居間に朝食を食べに来た。 いつもなら・・パパはソファに座ってテレビを見ている。お母さんは・・・掃除機をかけている頃だろう。 その「いつもの光景」を思い描いて居間に入った幸は、居間全体の異様な雰囲気にぎょっとした。
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