chapter:3 隔離

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トバルは魔眼を持たなかった。 このことは、その日の内に村中に知れ渡ることとなる。 伝説の中には魔眼を持たない者の話もあるにはある。 しかしそれはあくまでも伝説の中の話であって、本当に存在していたという話は誰も聞いたことがなかった。 ハイネルや村長など村の権力者達がトバルの儀式の後すぐに集まれば、話が広まるのも頷ける。 その間トバルは自分の寮に戻り、指示があるまで部屋で待機しているように言われていた。 文字通り、『何もするな』という言葉と共に。 「何もするなって言われても…なぁ…」 一人呟いてみても、反応してくれる人は誰もいない。 確認はしていないが、ドアの前には恐らく二人ほど見張りも居るだろうから、何かをしたくても下手に動けないでいる。
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