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あの大雨の日   よく覚えています。   あなたが 僕の制服で雨を遮ったこと。   濡れるやろ~と笑いながら 雨から守りました。   遅くまで居残りで 暗くなった廊下を 雨の音が聞こえる中 小走りで歩いた   自転車の所まで 相合傘して   先生に車で送ってもらい 密着しながら手を握ってた   田んぼ道の中 水溜まりを避けながら 02人で帰った     とても大雨でした。           あの晴れた日。     卒業式でした。   みんなと写真を撮る中 僕は探しました。   あなたを。     君にボタンをあげる約束を していました。       でも君の姿は 見つける事は出来ませんでした。     その日の夜 大雨でした。   彼女に   私を忘れてと   告げられた時   ボタンを渡せなかった理由が ようやく分かりました。   大雨は止まず   涙が溢れ     制服で雨遮らんのか?   相合傘で自転車小屋まで 行かんのか?   また先生に 車で送ってもらお   また田んぼ道……     雨が降れば そんな事……。     でも、 もう出来ないみたいです。     その日から 大雨が続いています   でも 前のように 制服が濡れることは ないみたいです。
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