序章

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
どっかの恋愛シュミレーションゲームやアダルトゲームなら、児童ポルノ規制法に完璧にひっかかるような年からの付き合いの美少女に起こしてもらえるのかもしれない。 しかし、現実ってのは無情で和葉にそんな幼馴染は存在せず、こうして自力で目を覚ます毎日だ。 とは言っても、和葉は今の状態に不満があるわけでもない。 むしろ、半一人暮らしという現状はかなり喜ばしいものだと思っている。 そんなどうでも良いことを考えるよりは朝食を取った方が利口だと気がついた和葉はキッチンに向うことにした。 四日前に近所のスーパーで買った厚切り四枚入りの食パン最後一枚を取り出しながら、それでフレンチトーストをつくる事を脳内会議で決定。 さっそく、材料である牛乳と卵、砂糖のケースを取り出し、手ごろな皿の上でそれらを適当にまぜあわせる。 そこに食パンを放り込み、裏返しながら汁をパンにしみこませていく。 汁が無くなったら、軽くバターをひいてあたためたフライパンで両面がきつね色になるまで焼きあげる。 それを皿に盛り付けたあと、母親が以前、カナダからのお土産だと置いていったちょっと高級そうなメイプルシロップをかけて完成だ。 和葉はナイフとフォークを戸棚から出し、食事に使われた材料達に心よりの感謝を捧げて、食べ始めた。 パンにフォークを刺し、ナイフで切ろうとしたその瞬間、 ボロアパート特有のブーというインターフォンの音が室内に木霊した。 時刻はAM:06:15 ただでさえ普段から来客が少ない和葉宅。 こんな朝っぱらから来る人など、皆目見当もつかない。 そんな事を考えている間にも、またブーという音がなった。今度は連打の特典もついている。相当なせっかちなんだろう   怪訝に思いながらも、うるさくて仕方ないのでドアに手をかけ押した。(和葉の住んでるようなボロアパートには、のぞき穴ようなハイテク機能はついていないのだ!) ドアを開けるとそこには、着衣の乱れた若い女がひざをついていた
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!