白の衣装

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世の者は俺が中宮大夫の役割に不満を持ち、参内が滞りがちになっているなどと噂しているようだった。 真実は俺が定子に会わす顔がなかっただけだ。 俺は定子の初花を散らした。 あの日より、細い肩を震わせていた定子が脳裏にこびりつき俺を罪悪感に苛ます。 あの夜は夢であったかの様に定子は振る舞い、時折聞こえる声にも淀みはない。 俺の存在を意識しない定子が憎らしく忌々しかった。
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