桜嵐

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源氏の君は、御簾の向こうの方だけの為に一心不乱に青海波を舞われる。 神を降ろしたようなその舞は、主上をはじめ、殿上人や並み居る女御、女房を魅了したのでした。 藤壺の宮様は御簾の中に佇みながら、後ろめたい思いがなければ手放しに喜び、誉め讃えて差し上げるのにと心を痛められる。 心乱された宮様は、紅葉の嵐の中に、人目を忍びそっと露を拭われたのでした。 源氏物語 紅葉賀
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