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結局、鑑凪から連絡が来る事はなかった。
万年帰宅部の僕は放課後、30分ほど教室で読書に耽り帰路についた。
家に帰ると姉の雛━ひな━がリビングでゲームをしていた。
「おかえり悠ちゃあぁああぁあああぁあ!!??」
テレビから目を離さずに「おかえり」を言おうとした雛が、僕の名前を言い切る直前で絶叫した。
「悠ちゃんのせいでダンテやられちゃったよ!」
「僕のせいではないだろう…」
責任転嫁もいいところだ。
そうだ ついでに鑑凪の事を話しておくか。
雛も僕の《願力》を知る数少ない人間であり、ある意味では僕の《願力》によって引き起こされた、「ある事件」の当事者の1人でもある。
雛になら話しておいても問題ないだろう。
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