第2話:永久ニ美シキ血マミレノ夫妻

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「私は後で行くから、安侮達は先に行ってて」 「旅行前の支度か? 別に良いけど」 「ま、そんな感じだよ」  闇乃は意味ありげに片目を閉じた。     ‥  羅馬尼亜の町は、煉瓦の家が並んでいるのが目立つ。まだ昼間である為、他の町の人達に比べると、安侮達の格好は非常に目立ったりしていた。本人達は、他人の目線は全く気にしていない。 「あんまし良い情報は無かったなあ。メトゥスの気配も、今は全く感じないし?」  安侮は目を閉じ、肩をすくめた。  一方の飛龍は、辺りを見回しながら口を開いた。 「気配が無い訳では無い。これは何かに妨害されているんだ」 「それ位の魔力を持ってるなら、かなりデリシャスなんだろうな、今回のターゲットは」  安侮はいかにも楽しそうに、ククッと苦笑した。  暫し町中を歩く。一見ごく普通で、住人達も平和顔で暮らしている風に見えた。 「にしてもあのじいさん、何しに来たんだかねえ」 「………」 「俺達は殺し屋としてあの教会にいるんだ。別に正義の味方とかでも探偵でも何でもねーんだけど」 「……俺達は殺し屋として任務を遂行してる。他の者がどうなろうが、知った事ではない」
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