第2話:永久ニ美シキ血マミレノ夫妻

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「これも仕事だからね。普段着の方が落ち着くけど」  闇乃はいつもの服装とは180度変わった女性らしい服を着ていた。今回髪型をアップにしたのは、この服に合わせる為だったのだ。 「今回のターゲットは、何でも若い女性を誘拐しにくる者みたいなんだ」 「若い女性……」  飛龍は町中の様子を思い出した。女性が少ないのはメトゥスと関係しているからだと言う可能性が、ぐんと高くなった。 「そいつは毎晩現れるらしい。だから町の人達は夜になると、家からは絶対に出ない。一人でも間違えて外出してしまえば、命取り。だから私が女性らしい姿で出れば、奴が現れるんじゃないかなって思ってね」  確かに見た感じでも女性らしさが十分出ている。毎晩若い女性を狙うメトゥスなら、闇乃が餌になるのも一つの手だ。そして飛龍達がメトゥスを討つ。そんな作戦を闇乃は考えていた。 「しかも今回のメトゥスは、どうやら永遠の美しさを保ってるらしい」  飛龍は顔を上げた。 「そのメトゥスは夫妻で、彼等が羅馬尼亜に現れてから、若い女性が次々と姿を消してってるみたい。それは何十年も前から続いてるらしくて、今でもたまに見掛ける彼女達はそれでも全然変わらず綺麗なままだそうだよ」
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