第2話:永久ニ美シキ血マミレノ夫妻

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 安侮は彼女の美しい後ろ姿を見つめ、そして目を閉じ笑みを溢す。 「そりゃあもう好きですね。ターゲットを切り刻んだ時に叫ぶ声と共鳴する鮮血は、とても美しい光景です」 「ふふ、そうよね」  嬉しさが込み上がる感じで、リーナは笑いながら震えている。安侮は明らかに普通じゃないと感付き始め、口からの笑みを忘れてしまっていた。 「貴方、沢山の血の匂いがするもの。芳しいその香り、私にも分け与えて欲しいわ」 「リーナ嬢、一体如何されたのです?」  改めて口で弧を描き、彼女に話し掛ける。  リーナはゆっくりと立ち上がると、座っている安侮の前まで歩を進め、そのまま見下ろす。 「貴方自身の血を味わいたい。最近飲み物が紅茶ばかりで飽々してきた所なの。──イヴァンはホント、最近役立たずで困者だわ」 (イヴァン?)  初めて聞くその名前に、安侮は密かに眉をひそめた。  否、それよりも、さっきから問題だらけの発言をしている彼女。それについてもう一度問いだそうとした。  その時、目の前が急に霞んで見えてきた。さっきまでは何とも無かったのに、瞼も急に重くなる。 「あの可愛い少女の血を最初に貰うつもりだったけど、先ずは味わってみるわ、──貴方の血を」
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