第?話:花園 和

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 お温習いだが、安侮達の本拠地はニッポンにある。ニッポンは、その国の初代支配者の作り出した強大な魔力に寄って生み出された国だが、実は誰もが知る日本と全く同じ構成をしている。昔から和国、黄金の島じぱんぐとしても知られており、無論、人間達もこちらと同じ暮らしをしている。このことを、記憶の片隅にでも構わない、記憶して置いて貰うと幸いである。  空が青々としている。時刻からすれば、太陽の位置は未だに高い位置にある故、昼頃だ。  とある教育施設からベルが鳴り響く。それは、施設全体へと知らせていた。 「はい、じゃあここまで。もう直ぐテストだから、ちゃんと復習して置く様に」  広々とした教室にて若い女教師が、ベルの音と同時、黒板に字を書いている手をピタリと止めた。そして振り返っては教壇に手を置くと、生徒達全員に聞こえる様に声を上げる。  それを聞いた生徒達は、一部やる気を感じられなくとも、全員一応返事をしていた。  そして、一時の休憩時間に入る。  てきぱきと次の授業の準備をしているのは、教室の窓際に座る少女。  少女の名前は『花園和(はなぞのなごみ)』。茶のショートに近い髪型をしており、瞳も髪の色と同じ、そして、緑の制服を規則正しく着用していた。
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