雨宿り

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翌日、彼女と供に文房具に行き借りていた傘を返しに行くとおばあちゃんが妙な事を言ってきた。 「やっぱりアンタ達もかい?」 「な、何がですか?」 質問の意味が分からず、俺は、おばあちゃんがして来た質問を質問で返してしまう。 「あー……毎年、毎年この季節に雨宿りをしているアベックがいてね。 そういうアベックに傘を貸してやるんだよ? ちょうど昨日のアンタ達みたいにねぇ… そうすると、みんな翌日に仲良く2人揃って返しに来るから、尋ねてみると… 昨日の雨宿りと傘が原因でお付き合いを始めたって言うからさぁ! アンタ達もそうなんだろ?」 「いえ…」 そう言いかけた彼女を制して俺が声を張る。 「今は、付き合っていませんが…俺は彼女とお付き合いしたいと思っています!」 「ほぅ、お姉さんは、どうなんだい?」 困った様子で彼女が答える。 「……よろしくお願いします♪」 それを聞いた俺は、体が勝手に彼女を抱きしめていた… 2人仲良く駅まで歩いて行く姿を店先から眺めるおばあちゃん… そして店の中からおじいちゃんが出て来て横に並ぶ 「また、客を相手にくだらん作り話をしてたな?」 「お客じゃないから、良いんじゃないですか?」 今日も天気は、夏空です。
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