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花びらを散らし、ピンクが薄く緑がかった桜の木が校庭の隅に立っている。
開けた窓からは、春の陽気と爽やかな風が吹き眠さに拍車を掛ける。
ウトウトしながら授業を聞いているが先生の説明は、右の耳から入って左に抜けて行く。
「おーい、東雲(シノノメ)?
人の授業中に寝てんじゃないぞ?
お前は、本当に眠り姫だな…」
先生に頭を小突かれ起こされる。
「あー…すいませんっ」
目を擦って、頭を起こそうと頬っぺたをつねる。
「それともう1つ質問良いか?」
先生が続けて質問をしてくる。
「……なんですかぁ?」
「お前の後ろの席の菅野が今どこにいるか知らないか?」
「え?知らないですよぉ……」
「そうか、なら良い!
それじゃ、授業続けるぞ?」
そのまま授業が終わるまで目は、開いているが頭はボーッとしたままだった。
「あー…やっと昼飯だぁ!」
授業が終わると教室中からそんな声が聞こえてくる。
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