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まぁ、良いや、もう少しここで雨宿りさせてもらおう。
なんて、考えていると、この狭い軒先にもう1人雨宿りのお客さんが入って来た。
若い女性だ。きっと俺と同じ会社帰りなのだろう…
こんな日に傘を持っていないなんて可哀相に…って言っても俺も同じか。
「朝、雨降るなんて言って無かったのにぃ…」
独り言として出たであろうその言葉に俺は、返事をしてしまった。
「ですよね?俺も朝、天気予報見て出て来たんですけど、雨降るなんて言ってませんでしたよね?」
「あ!ごめんなさい…
そんなつもりで言ったんじゃなかったんですけど…」
俯きながら恥ずかしそうに話す女性。
「まぁ、良いじゃないですか!こうやって同じとこで雨宿りしてるのも何かの縁ですし。」
「そうですねっ!」
そう言いながらフフッと笑う。笑顔がなかなか可愛いらしい。
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