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そこから俺達の取り留めの無い話は、30分程続いたが、どうやら雨は、止む気配がない。
しかし、雨が止まないことなんて全然苦にならない。それどころかもっと長く雨宿りをしていたい…
その子とのお喋りは、そのくらい楽しいものだった。
だが、その時2人の後ろから声を掛けられた。
「あの、お2人さん?
雨で困ってるなら、これを貸して差し上げますよ。」
文房具屋のおばあちゃんの手には、傘が1本握られている。
「あの、よろしいんですか?」
俺が尋ねると、おばあちゃんは、すまなそうに1言…
「うちに余ってる傘は、これ1本しか無くてねぇ…」
間髪入れずに女性が答える
「いえ!貸して頂けるだけで十分ですから…ありがとうございます!」
「ありがとうございます!お借りしますっ」
その2つのお礼を聞くとおばあちゃんは、傘を俺に渡すと店の中へと戻って行った。
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