出会い

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映画館に着いたはいいものの まだ上映の時間じゃなかった。 仕方なく2人でベンチに座って 話をした。 ベンチに座ったとき 『こずえさん?この間は何?』 私と彼の座ったときに自然とあいた間隔を 指差して君が聞いてきた。 私は『…間?』 曖昧に答えてバックや服をいじったり 足をバタバタさせたりした。 『…間(笑)いいからもぅちょっとこっち来なさい』そぅ言って君は私を自分の方にひっぱった。 今考えてみたら… 私の性格のせいもあるんだろぅけど 君と私の距離があいたとき その距離を縮めるのはいつも君で 君が自分から私の方に寄ってきたり 私を引き寄せてくれたね。 私にはどぅしてもそれが出来なかった… 映画館の上映時間になり指定の席に座る そのとき 私の眠気は限界に達していた。 普通初めてのデートで寝るって 最低なことだよね。 でも本当に眠かった。 君の隣が安心できたからきっと私は 寝られたんだと思う。 上映中君は 眠気と戦う私の頭を優しく撫でてくれた。 すごく安心感が持てた。 映画を見終わって 時計を見る… 電車の時間!! 君と私は急いで駅に向かう。 途中雨が降ってきて 仕方なく君が傘を買ってくれて、 それで2人で相合い傘して歩いた。『腕組んで』 私は君の言う通りに腕を組む。 背の高い君の腕にしがみつくのは ヒールを履いていても 難しかったよ。 後で聞いた話なんだけど…腕を組むってこと…初めてだったのは私だけじゃなかったんだね。 君も初めてだったんだ。 駅に着き 帰りの切符を買う。 改札に入ったらそこでばぃばぃだと思ってた。 だから君が 私の乗る電車のとこまで見送りに来てくれたときはすごく嬉しかった。 別れ際に 『今日会ってよかった?』 と君が聞いてきた。 素直じゃない私は 頷いて『ぬいぐるみも取ってもらえたしね』 そぅ嬉しさを隠して答えた。 『じゃぁまた後でメールしろよ』 そぅ言って君は私の頭をクシャクシャ撫でてホームを去る 私は『ばぃばぃ』と小さく手を振って 君の背中に言った。 君は照れ笑いしながら振り向いて 頭をかきながら階段を下りていったね…。 まだ今日の事のように覚えてるよ。
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