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あれから、どのくらい時間がたったのだろうか―――
時計がないので正確にはわからないが、今の所7回寝た。
「ということは、七日目になるのかなぁ。」
ルナは分厚い窓から空を見上げて囁き、小さくため息をついた。
するとふいにトントンと音が響いたかと思うと、ルナのいる部屋の扉が開く。
「ルナちゃん、遊びにきたよ。」
「モールス……」
扉からひょっこりと顔を出した彼にルナが視線を向けると、モールスはずかずかと部屋に入ってきた。
「いつも思うんだけど……モールスって、何の仕事をしているの?」
きて早々椅子に座るルナの髪で遊び始めた彼に問い掛けてみると、モールスは目をぱちくりさせながら苦笑した。
「仕事かぁ―――そうだよね。
人間世界では、仕事しないと生活していけないんだよね。」
「魔界は違うの?」
ルナが見上げるようにして言うと、モールスは当たり前のように頷いた。
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