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【知らない番号からだ…】
仕事柄いろんな人と知り合う菜々美のケータイには自分の把握できていない番号からの着信がしょっちゅうある
【誰かな!?】
たいして戸惑うことなく菜々美は電話をとった
『もしもし』
「もしもし、これ瀬戸サンのケータイで間違いないですか!?」
『はい、私ですが…』
【この電話相手の女性の声…どっかで聞いたな…】
「私、モデルの愛香です。
覚えてますか!?」
【そっか、あの時名刺渡したんだった…】
『はい、ご無沙汰してます。』
「急なんですけど…明日か明後日会えないですか!?」
『えっ!?それは…』
「2人きりでお話したいことがあります。」
『仕事関係の話なら明日会社で許可をもらわなければならないので
今すぐ返事ができないんですが…』
菜々美は愛香の申し出に少し警戒して答えた
「そうですね…仕事と関係あると言えばあるし、ないと言えばないです。
ただ来なければ大変なことになってしまうかもしれないですね…
瀬戸サンがそれでもいいなら別にいいですけど…(笑)」
愛香の面白がった冷たい笑い声が菜々美の耳元に響いてくる
『わかりました。じゃあ明日の18時はどうですか!?』
「いいですょ。じゃあ大橋のクレールホテルのラウンジに来て下さい。」
『クレールホテルですね…わかりました。』
「じゃあ、お会いできるのを楽しみにしています。」
そう菜々美に告げると愛香は一方的に電話を切った
言い様のない不安が包み込み、菜々美はしばらくケータイを耳に当てたまま動けなかった
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