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現実のドナドナ
生まれて初めて
日の光を浴びた
大勢の仲間たちも一緒に
ぎっしりとカゴに
つめられたままで
ガタガタ揺られながら
どこに連れて行かれるのか
彼らは 知らない
どうになってしまうのか
彼らには わからない
ドナドナ ドナドナ
彼らにとっては
眩しすぎる日差しに
小さい目をさらに細めて
ガタガタ揺られている
ドナドナ ドナドナ
どこに連れて行かれるのか
彼らは 知らない
どうになってしまうのか
彼らには わからない
〓この作品は「ドナドナ」
の歌と、金子みすゞ「大漁」を
参考に書いてみました。普段何の気なしに口にしている畜肉たちに
向けた私なりの鎮魂歌です。
「大漁」金子みすゞ
朝焼小焼だ 大漁だ
大羽鰮の 大漁だ
濱は祭りのやうだけど
海のなかでは 何萬の
鰮のとむらひ するだろう
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