静かな夜

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ひとしきり笑ったら、透は話だした。 「啓介をイブに誘ったのはあたし、啓介はイブって気付いてなかったみたいだったけどね」 「皿良君、そこまで天然さんだったんだ」 たしかに普段ぼーってしてるけど、やっぱり変わってなぁ。 「うん、そんなとこがおもしろいんだ。」 透がそう言った後、お茶を口にふくんだ。 私も、紅茶を飲む。オレンジの香りと紅茶の香りがとても良かった。 「これ、いい匂いだねー……でさ、あたし、公園に行くの啓介に断られるだろうって思ってたのよ。啓介は彼氏でもなんでもないからね。でも一緒にいってくれた」 「そりゃあ、こんなに綺麗な透が誘えば、独り身な男は行くでしょ。」 「いやいや、そんなことないよ…最初はね、手なんか繋がなかったんだけど、何て言うか雰囲気にも飲まれちゃって」 「うん」 あんだけカップルたくさんでロマンチックな場所なら、私も、そうしちゃうなっておもった。 でも…! 「キスしたのは?」 これは雰囲気とかの前に人前じゃ無理です。 「あ、それはさ、あたしのブーツのヒールがおれてこけちゃってさ、立ち上がる時にあっちが…」 「ちゅーって来たんだ」 まるでドラマみたい。 。
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