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家に帰って少しの酒飲んで二人で毛布にくるまる。
俺の部屋は暖房器具がこたつぐらいしかなくて、二人で寄り添って暖まる。
たわいもない話をしていた。
透が暖かくて、柔らかくて、ついムラムラしてしまうが、眠そうな顔しているので押さえる。
「寝ていいよ」
俺がそっと言うと、透はうなずいてからそっと唇をあててきた。
頭がまわってなくてぼーとしてるから、透の動きは遅い。
いつもなら透は恥ずかしがるくせにこういう時は素直で、かわいーなんて思ってしまう。
触れるだけの軽いキスをしたら、透は俺の腕の中で寝息をたてはじめた。
俺はこの時が切なくて、透を穴が空くほど見つめる。
この腕の中にいて、やることやって、もうこれ以上望むものはないはずなのに…
俺のどこかでまだ透を求めている。
近くに放り投げてあるスケッチブックをとる。
透に気付かれないようにそっとペンをはしらせた。
時を
透を
スケッチブックに閉じ込める。
ひとしきり書き終わり、ふと時計をみたら、0時を少し過ぎていた。
今日は25日。
「めりーくりすます」
キリスト教でもないけど、俺は透のでこにキスをしてそう言った。
クリスマスに生まれて初めて、神様から素敵なプレゼントを受け取っているのかもしれない。
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