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透さんと後片付けをして、透さんをひざにのせて二人でテレビをゆっくり見る。
…よし。
クリスマスプレゼントを渡すぞ。
クリスマスに一緒にいれなかったぶん、喜ばしてあげたくて、俺は奮発したんだ。
「透さん、ちょっと目つむって?」
「んーなんで?」
「いいから」
いったいなんなの?
って言いながらも目をつむる透さん。
目を閉じたのを確認してから、俺は鞄からプレゼントの紙袋を出す。
「手出して?」
透さんは手を出す。
俺は紙袋を手にのせる。
「めーあけていいよ」
透さんの目が開く。
「遅れたけど、メリークリスマス」
俺はそう言った。
「ふふふ…ありがとー。何これ?おっきいー」
透さんは嬉しそうに紙袋を開ける。
「鞄?」
まだ包みから出てくる前に透さんは気付いた。
「うん」
さすがです。
その男らしい包みの破りかたもさすがです。
「わあっ。これ…」
包みから出てきたのは、茶色を基調にした色。柄はヨーロッパの地図。
透さんが大好きなブランドの手さげ鞄だ。
それなりにいい値だったけど、透さんが喜んでくれたらそれで満足。
「気に入ってくれた?」
「…当たり前だよ。わぁっ、すっごいかわいー」
透さんはすごく嬉しそうだ。
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