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「クリスマス一緒にいれなくてごめんね」
俺はすまなくて、心からあやまる。
本当にごめんなさい。付き合ってから初めて、クリスマスを一緒に過ごせなかった。
「いいの…仕方ないから…お仕事だし」
透さんは一瞬だけ、さみしそうにしたけど、にこにこ笑って言った。
遠距離したばかりの頃、一年ぐらい前なら、透さんはきっとすねてただろう。
それだけ、遠距離になれたってことなんだろうけど、少しさみしいよ。
「拓斗、これ、高かったでしょ?」
心配そうに透さんが言った。
そりゃあ安くはなかったけど…
「透さんが喜んでくれたらいいの」
俺は言った。
透さんの笑顔があれば何もいらないんだ。
「ありがとー」
透さんは泣きそうな顔して俺にキスして来た。
「あ、あたしからは明日の買い物の時に好きなもの選んで?なんでも買ってあげるから…こんないいものは無理だけど…」
「いいよ」
透さんがそう言ってくれるのはとても嬉しいけど、俺のほしいものは透さんだから…
買えない。
そんな気持ちを知らない透さんは、
明日ちゃんと選んでねーなんて言ってる。
「じゃあ、ほしいのがあったらお願いするね」
俺はキスして、立ち上がった。
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