茨姫

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「いってきます」 静寂に包まれた家に”いってきます”と言い、鍵をかけ桐島学園へ向かう。 自宅から桐島学園までは徒歩で20分程度。と言っても、少女はその半分の時間で学園についてしまう。 「お・・・おはようございます。」 一人の男子生徒が遠慮ぶかそうに少女に挨拶をしてきた。 桐島学園に通っている生徒のほとんどが徒歩のため、こういった挨拶は毎日言われている。いつものように、少女は挨拶を返すことなく黙ったままその場を去って行った。 「”茨姫”今日も綺麗だよなぁ・・・」 こういった挨拶や男子生徒からの言葉は、少女にとっては日常茶飯事。 毎日同じことの繰り返し。
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