44人が本棚に入れています
本棚に追加
学園に着いても少女の周りには”茨姫”と言って群がる人ばかり。
「あのさ、うるさいんだけど」
表情を一切変えずに低い声で発した言葉は、一瞬にして教室内を沈黙にさせた。
さっき低い声で言葉を発し、皆から“茨姫”と呼ばれる少女の名は紅緋月(クレナイヒヅキ)。
緋月は、桐島学園で”茨姫”と言う別名を持っている。
腰の辺りまである黒の長い髪。
誰も寄せ付けない雰囲気を漂わせ、一度緋月に近づいたものは茨のように、抜け出せなくなってしまう。そういう噂等が学校中に広まりいつしか緋月は”茨姫”と呼ばれるようになっていた。
最初のコメントを投稿しよう!