茨姫

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学園に着いても少女の周りには”茨姫”と言って群がる人ばかり。 「あのさ、うるさいんだけど」 表情を一切変えずに低い声で発した言葉は、一瞬にして教室内を沈黙にさせた。 さっき低い声で言葉を発し、皆から“茨姫”と呼ばれる少女の名は紅緋月(クレナイヒヅキ)。 緋月は、桐島学園で”茨姫”と言う別名を持っている。 腰の辺りまである黒の長い髪。 誰も寄せ付けない雰囲気を漂わせ、一度緋月に近づいたものは茨のように、抜け出せなくなってしまう。そういう噂等が学校中に広まりいつしか緋月は”茨姫”と呼ばれるようになっていた。
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