茨姫

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ホームルームが終わり、緋月は教室から出てある場所へと向かった。 緋月が向かったある場所とは屋上。 鉄の柵にもたれ掛かり、屋上から見える町の景色を眺めていた。 「ここは何も変わらない」 「”茨姫”ともあろう方がこんな所で何してんの?」 誰もいないはずなのに背後から声が聞こえてきた。 バッと後ろを振り返った。だが、辺りを見渡しても誰もいない。 気のせいかだろうと思い屋上から出て行こうとしたその時だった。 目の前に一人の男子が現れた。 そして、にこやかに微笑みながらゆっくりとその口を開いた。 「俺と付き合ってくんねぇ?」
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